大地を呼び覚ます 大隅高隈の「鉤引き祭」
2月19日は、旧暦の1月1日にあたります。旧正月にあたるということで、正月祝いの神事や、春を祝う神事が、大隅半島でもいくつかみられます。
本社がある高隈地区(鹿児島県大隅半島の高隈山地に囲まれたところ)には、
「鉤引き祭」という五穀豊穣と林業発展を祈念して行われる春祭り神事があります。
毎年、2月の第3日曜日に開催されています。
春の待ち遠しい今日この頃ですが、この鈎引き祭が終わると高隈に春が訪れると言われています。
300年以上受け継がれてきた、この「鉤引き祭り」とは、
いったいどんな祭りかというと…
上高隈町と下高隈町に分かれ、「雄鉤(おかぎ)」、「雌鉤(めかぎ)」と呼ばれる、長さ10m、幹回り1m、重さ1tを超える御神木をそれぞれ厳選して、中津神社に奉納するのですが、境内までは長い石段があり、その間、鉤を地面につけてはならないため、一気に駆け上がり境内まで運びこみます。
石段を駆け上がる前に、見せ場の一つでもある「サヨンドシ」という、鉤を高く持ち上げ、地面に3度打ち付ける儀式が行われます。これには、勢いづけの意味と、冬の眠りについている大地に春が来たことを教える意味があるのだそうです。
社殿にあがると、300人の男たちが、鉤をひっかけ、渾身の力を込めて激しく引き合うのですが、3回勝負で2勝したほうが勝ちで、勝った地区は豊作になると言われています。かつて、岡本(社長)も「ハナドリ」と呼ばれる地区のリーダーを務めさせて頂きました。
過疎化・高齢化で、担ぎ手が減って、しかも担ぎ手の平均年齢も70歳近くと高齢になっても、それでも地区の人たちで情熱を燃やし続け、受け継がれてきたお祭りです。高隈出身者でなくても、誰でも鉤をひいていただけるということなので、興味のある方はぜひ足をお運びください。鉤をひくと一年中無病息災で過ごせるそうです。
オキス農場の、キャベツ、にんじん、大根も収穫間近!
春はもうすぐ、鉤引きで大地を呼び覚ましましょう!